あなたの その手が 好きです
私は自分の手が嫌い。
一年中、クリームを塗っているのに、ガサガサ。
小学校高学年の頃から、ずっとガサガサ。
中学生のとき、ふと見た友達の手。
すべすべの手。
他の子の手も、同じ。
ガサガサなのは、私だけ。
なんで?
どうして?
どうして私の手はガサガサなの?
洗い物をしていたら、ひび割れた手に、水が滲みた。
そして、気付いた。
ああ、これのせいか。
そしてまた不意に、脳裏を過る。
真冬に外の水道で虫籠を洗い続け、自分への「罰」としてひたすら冷たい水に両手を浸し続けた場面が。
自分を罰することを覚えたのは、小学生の頃。
自分の体をつねったり、拳や物で自分の頭を殴ったり。
毒母からの精神的虐待によって心が痛むのを、物理的な痛みで紛らせたかった。
或いは、自分で自分を罰することで、少しでも「罪」を償おうとしていたのかもしれない。
今でも私は、私の手が嫌いだ。