PIERROT
演じる。
私にとって生きることとは、役を演じること。
ふわふわと微笑む柔和な人物、理路整然と論じる人物、好奇心旺盛な人物…他にもたくさん。
「素の私」があるわけでもない、継ぎ接ぎの私。
そもそも、「素」が何か分からない。
だって、どの役を演じるときも、決して偽ってなどいないんだもの。
演じることと、偽ることは、ベツモノ…少なくとも、私にとっては。
ところで、どうして大多数の人々は、生まれる子が健常児だと信じて疑わないのだろう。
自分の子どもが障害児でありますように、なんて願う人はいない。
私だって同じ。
だからこそ、嫌なの。
身籠った人に集る人々の会話が。
その会話は「親」になれた人々の特権。
私は「好奇心旺盛に未来を夢見る若人」という役を演じ、相槌を打つ。
微笑んでいるのに
温かな心地なのに
どうしてこんな気持ちになるの
なぜか、何か、私の中の何かが、痛む。
どうしてなの?